【ハコヅメ～交番女子の逆襲～】アニメ感想評価とネタバレ考察(動画)

実写化ドラマの完成度があまりにも高かったので、ハードルが上がっていた中でも、ファンがしっかり満足できるクオリティの作品に仕上げてくれていて、素晴らしいと思います。

牧高ちゃんを演じているのが、花澤香菜さんだということにはエンドロールまで気づきませんでした…さすがの技術と演技だと思います。

オープニングとエンディングの曲もかわいくて好きですが、強いて言うならエンディングのアニメーションの雰囲気には少し違和感があるかもしれません。

川合の時々慌てながらも、後々大物になりそうな胆力をもっている人物像が、動きや演技でさりげなく表現されているところも好きですし、警察ものとして伝えるべきメッセージは、しっかり伝える仕上がりになっているところも良いです。

ともに正確に難アリな新人警察官と、元刑事課のエースの２人の主人公を中心に警察官たちが繰り広げるドタバタを描いたコメディアニメです。

世代的に警察官が主人公というと「こち亀」や「逮捕しちゃうぞ」といった作品群が思い浮かびがちですが、本作は原作者が元警察勤務という経歴のため、内情にも詳しく、ブラックユーモア的な作風が印象的でした。

一方で派手さも求められる刑事ものと違い、交番勤務の警官という題材のほうが日常に近い分、より難しいだろうなとは思いましたね。

コメディよりの作風のため、キャラも可愛いとは言い難い(笑)ものの、警察をdisりながらも仕事に精を出している姿は、等身大さが感じられますね。たまに深夜アニメな要素もあるので、そこまで肩の力を抜ける作品ではないかな？とも思いました。

このアニメに関しては時期が悪かったとしか言いようがありません。如何せん、アニメ化より先にドラマ化してしまったが故に、ドラマの方で内容を知ってしまった人が思いのほか多かったからです。

やはり、内容を知る知らないでアニメに対する期待は随分と異なってきてしまいます。かく言う私はドラマを見たことで構築されたイメージを、アニメで崩されてしまったのが残念でなりません。

ぶっちゃけ、アニメ版の方が原作により忠実であることは一目瞭然なのですが、ドラマの方から入ってしまった人には、どこか違和感を覚えてしまいます。ドラマとアニメとで藤さんの雰囲気が凄く違うなと思いました。

また、男性陣に関しては別人にしか見えなくて非常に悲しかったです。

漫画を読んでいてアニメ化をとても楽しみにしていたのですが、思ったよりもテンポや間合いが気持ち遅くて、ただただゆるい感じになっていたのが、少し残念というのが正直な感想です。

まだドラマのほうが世界観を再現できていたのかなと思いました。ただ、漫画でもアニメでも好きなシーンが放映されたので紹介したいのですが、空き巣犯がターゲットとなる町を見定める判断材料にするのが「子どもたちがルールを守っているか否か」というところでした。

小学生が「なぜルールを守らなければならないのか」を主人公たちに質問した際に二人乗りをしている子どもたちを周りの大人が注意する町は、近所にも関心があるから顔を覚えられるとまずい、空き巣犯は犯行ができない。

逆に二人乗りをしていても注意されない地域はそういうことをしても見逃す人・注意しない人が多い町だから犯行に及びやすい。

だから一人ひとりがルールを守ることが被害を最小にできる。というシーンを見たときは「なるほど」と思いましたし、とても好きなシーンのひとつです。

交番を舞台に繰り広げられる日常により近い場所のお巡りさん。そんな交番に配属されたやる気無し子な新人川合と、めっちゃ腕利きなのに何故か交番に飛ばされてきたベテラン藤の日々の愚痴と勤務と、奮闘がコミカルに描かれていて、全く気負わず見れる作品です。

ドラマから興味をもってアニメを見ることにした作品ですが、それはそれ、これはこれ。と分けてしまえば気になりません。ただフツーに「お巡りさんも人の子」と思って楽しんだら良いです。まだ始まったばかりですが、構成も緩さと、重さが上手くなされていて個人的にはかなり好みな作り。

刑事物ですから、ずっと軽く、緩くって訳にはいきませんが、重い話の回に差し込むように緩く。緩い話の回に差し込むように真面目さが。しっかりなされていて、気負わずフッと考えさせられる。そんな作りが見所の一つと言えるでしょう。