「ゲド戦記」みんなの感想評価とネタバレ考察
圧倒的な世界観!
心を閉ざした主人公のアレンが、人間を極度に嫌う少女テルーに出会って、少しずつ人間とは何か、恐怖とは何かに向き合っていく物語なのですが、どこか闇を抱えるアレンがとてもかっこよく、テルーと惹かれあっていく様子もとても魅力的です。
テルーは竜なのですが、最初はアレンをとても嫌い、アレンが助けても心を開いてくれなかったのですが、アレンが徐々に自分の影に立ち向かい、強くなっていくと共に心を開いていく姿が素敵で、最後に竜の姿としてアレンと向き合っている様子はとてもかっこよくぐっときました。
死の恐怖や影と光がテーマになっているので、少し怖い描写もありジブリの中でも難しい作品ですが、街の様子や竜の姿等、ジブリならではの美しい世界観があるので、それも十分に楽しめると思います。
見れば見るほど溢れる魅力
「ゲド戦記」そのタイトルだけを聞いても、あまりイメージがわかないと思います。非常に独特な世界観の中で物語が進んでいくので、1度見て理解できないのも無理もありません。
ただ、何度か見ていくうちに、ストーリが見えてきます。中でも、静かで広い丘の上でテルーが唄を歌う姿。か細い声ながらも、どこか芯のあるような声。その歌声に涙を流すアレンの姿は、見てるこちらまで引き付けられます。
アレンの感じる、孤独に対する不安や寂しさを自分と重ね合わせて見てしまっていた自分もいたように感じます。
自分が心のどこかで感じている孤独や不安。これは誰もが抱えているものなのだと知ることができる感動の映画だと思います。気持ちが落ち込んでいる時、不安や孤独を感じているのが、自分だけではないと感じさせてくれます。
訳がわからない
始まりは何が何だかわからないもので、なんで主人公が闇落ちしたのか、どう言う時代設定なのかが分かりづらい作品になっている。しかし、絵などのグラフィック、声優の選び方はとても良く、ジブリ作品としては好きなものになっている。
しかし、少しグロテスクな部分があって、ジブリとは思えない作品でもある。終わり方はとても綺麗で映像の綺麗さも相まって、この作品はクセになる。グロテスクなところを見ると後悔もするが、綺麗な映像やグラフィックを見ているといいなと思う。
嫌だと思いながらも、何回も見てしまう作品であるジブリ作品なので、続編はあり得ないが、まず綺麗に終わったので続編に関してはあったとしても、ないようにして欲しいと思います。
死を恐怖した少年は、少女を出会って死を乗り越えた。
正義や正しさとは外れた主人公。冒頭で父親を殺し逃亡する。主人公にしては大分ダークサイドにいる。この冒頭で好みが分かれると思う。
ここを超えたとしても、今度は魔法使いや竜がいる世界なのに生活の中で魔法を使わず、魔法使いなんていないと言っていたり世界観が少しわかりずらいかもしれない。
個人的にはかなり好きなのでオススメしたいが、分かりずらいところが多いから少しオススメしずらい。
好きなシーンはアレンを追いかける影の正体が分かったシーン。影は実は光の部分であり、死に捕らわれたアレンの心が影に飲み込まれたことによって、光は影となって体を追いかけるようになった、光と影は逆転するという考えはかなり衝撃を受けた。
好きなセリフはテルーがアレンにいった「死ぬことを恐れているんじゃない、生きることを恐れているんだ(要約)」。生と死は分けることはできなくで、死の否定は生の否定という考えは私の生死観に大いに影響を与えた。
アレンは死の恐怖を乗り越えた後、途端にかっこよくなる。でもクモはどんどん恐ろしい姿になっていくのが、怖くて怖くて…。テルーが竜にならなかったら、恐怖を打ち消すことは出来なかったかもしれません。
ゲド戦記は分かりずらさからか、好き嫌いが結構分かれるが、ストーリーが私好みで社会風刺のような世界観はジブリらしくて、なにより竜のデザインがすごくかっこいいので私は大好きです。
奥が深く考えさせられる作品です。
「ゲド戦記(映画)」を見て感じたのは、そのストーリーの奥深さです。単純な冒険談でなく、人間の本質的な部分を考えさせられるストーリーで、生きることについて深く考えさせられた映画です。
人間は誰でも他人に見せられない二面性を持っていて、それと上手く折り合いをつけて生きていると思いますが、それに疑問を持ってしまったのが主人公のアレンなんだと思いました。
同じような境遇にいるテルーとの交流によって、お互いにお互いのすべてを認め合うということの大切さを知り、自分自身の弱さを克服する物語なのだと思います。自分の弱さを認めることの難しさや大切さを伝えようとしているのだと思いました。
闇と光という相反する部分が人間の心の中にはあるのが当たり前で、それとどうやって向き合って生きていくのかが大切なんだと、深く考えさせられた映画です。
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「ゲド戦記」の作品情報
基本情報
タイトル | ゲド戦記 |
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読み方 | げどせんき |
原作 | アーシュラ・K・ル=グウィン |
アニメーション製作会社 | スタジオジブリ |
映画公開日 | 2006年7月29日 |
声優(CV)・キャスト | アレン役:岡田准一 テルー役:手嶌葵 ハイタカ役:菅原文太 テナー役:風吹ジュン クモ役:田中裕子 ウサギ役:香川照之 国王役:小林薫 王妃役:夏川結衣 女主人役:倍賞美津子 ハジア売り役:内藤剛志 |
あらすじ・ストーリー
多島海世界のアースシーでは、聖なる生物の竜が共食いを始め、農民は田畑を捨て、職人は技を忘れていくなど、さまざまな異変が起こり始めていた。
やがて人々が魔法を信じることができなくなったとき、大賢人ゲドは世界のバランスを崩す者の正体を突き止めるための旅に出て、国を捨てた王子アレンと出会う。
引用元:109シネマズ
PV予告動画
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