「グリム組曲」みんなの感想評価評判!ひどいつまらない?面白い?
サイバーパンクとグリム童話の化学反応
グリム童話の世界観を大胆にアレンジしたアニメで、毒っぽい風刺が利いていて面白かったです。特にお気に入りなのが第一話「シンデレラ」。原作は意地悪な継母と義理の姉たちに虐げられる可哀想な少女の話ですが、「グリム組曲」では娘が黒幕に設定されており、母に毒を盛って姉たちを陥れるサイコパス全開の策士ぶりに震えが止まりません。
第二話で赤ずきんに返り討ちにされた、仮想現実の殺人に淫する男の末路も皮肉。全体的にグロテスクなシーンが多く、CLAMPが手掛けた美麗なキャラデザが、仄暗い背徳感や耽美さを引き立てていました。サイバーパンクとグリム童話を組み合わせたエピソードは目新しいので、SF好きな方におすすめしたいです。
ダークな童話の世界が心を揺さぶる!
まさに予想を裏切る展開の連続でした!特に「人形遊び」のエピソードは、清子と新しい家族の関係性が怖いほどリアルで、どこまでも緊迫感が溢れていました。清子が家族をどう扱っていくのか、その心理描写が見事で、視聴後はしばらく心がざわつきました。
また、「オオカミの会」のグレイが現実世界で狩りをするシーンは、AR技術を駆使した新しいタイプの恐怖を体験させてくれました。彼とスカーレットの遭遇はまるで運命のようで、それがまたこの物語のダークさを引き立てていました。
ヘンゼルとグレーテルの話も印象深いですね。老婆がふたりに与える甘いお菓子と知識が、彼らの人生にどう影響を与えるのか、その心理的な葛藤が見事に描かれていました。編曲が素晴らしいと感じるシーンも多く、クラシック音楽が各エピソードの感情を高めている点も大きな魅力の一つです。
ただ、全体を通して感じたのは、それぞれのエピソードが独立していてもっとつながりがあればな、という思いもあります。個々の物語は魅力的でしたが、全体としてのまとまりを感じられるともっと心に残る作品になるのではないかと感じました。
それでも、「グリム組曲」は私にとって新しいタイプのアニメ体験を提供してくれた作品で、その点は高く評価したいです。
「グリム組曲」感想評価と口コミレビューを書く(ネタバレあり)
「グリム組曲」の作品情報
基本情報
タイトル | グリム組曲 |
---|---|
読み方 | グリムくみきょく |
原案 | CLAMP |
アニメーション制作会社 | WIT STUDIO |
アニメ配信期間 | 2024年4月17日~ |
話数 | 全6話 |
アニメ配信サイト | Netflix |
作品概要・あらすじ内容
アニメ「グリム組曲」は、ダークで新しい視点を加えたグリム童話をベースにしたオムニバス形式の作品です。
このシリーズは、名高いWIT STUDIOによって制作され、全6話で構成されています。特に印象的なのは、各話の音楽が生演奏で収録された点で、制作には約4年を要しました。
物語の導入部では、ヤコブというキャラクターが登場し、彼は観客に童話の世界へと優しく案内します。声優の鈴木達央さんがこの役を務め、視聴者に物語の原点を感じさせると同時に、ストーリーがどのように変わっていくかの布石を置いています。
各エピソードは異なる監督によって手がけられ、それぞれに独自の色が反映されています。たとえば、第一話「シンデレラ」では金森陽子監督の特色が、また第二話「赤ずきん」では赤松康裕監督の手腕が光ります。
登場するキャラクターたちも、例えば「小人の靴屋」では鎌倉由実監督の創造力が生かされたキャラクターが登場し、視聴者を引き込む仕掛けが随所に見られます。
CLAMPがキャラクター原案を担当しているため、ビジュアル面でも非常に魅力的で、物語のダークな雰囲気を一層引き立てています。
音楽は宮川彬良が担当し、各エピソードの感情を豊かに表現しています。全体として、「グリム組曲」は従来の童話に新しい息吹を吹き込む作品として、多くのアニメファンに新鮮な驚きを提供しています。