「シン・エヴァンゲリオン劇場版」みんなの感想・評価レビュー
スッキリと全てのエヴァンゲリオンにサヨナラが言えました
一言で言えばエヴァの魅力が全て詰まった最高の作品でした。良かったシーンはいくつもあるのでキリがありませんが、1つ挙げるとしたらアスカとのお別れです。
アスカが新2号機に乗って最後の決戦に向かう前に、シンジに対して「好きだったんだと思う」と言った時に、Qで大人気ないとすら思ったアスカの言動もスッと入ってきました。
またアスカの口からそんなハッキリとした言葉が出てくることも予想外だったので、大人になったことに対して複雑な想いを持ってしまいました。
そして決戦が終わり、シンジは海辺でアスカにお別れを告げますが、これもまた切なかったです。アスカは人間側だと信じていましたが、シンジとは別の世界を生きないといけないということを突き付けられ、報われない悲しさを感じます。
ラストシーンの駅のホームで、シンジがいるのとは反対側にアスカや他のキャラがいましたが、お互いに気がつくことなくそのまま別れます。それぞれ別の道を歩んだ解釈はできますが、永遠のお別れを感じて、胸が締め付けられました。
エヴァらしい混沌とした精神世界や独特の演出もふんだんでしたが、最後は泣けてしまいましたので、本当に「ありがとう」と言いたい作品です。
ようやく完結したエヴァシリーズ
TVアニメ版、旧劇場版、コミック版とそれぞれで疑問が残る完結の仕方をしてきたエヴァンゲリオンシリーズですが、本作でようやくスッキリとした終わり方をしたような気がします。
特に登場キャラクターの生死や、それぞれの立場などがしっかりと明かされたことにより、前作までの置いてけぼり感や考察の余地がぐっと少なくなっていたと感じました。
しかし考察の余地がないわけではなく、カヲルくんのヴィレでの立場(加治に「渚指令」と呼ばれていた)や、マリはなぜ最後にシンジを迎えに来れたのか?など1度観て疑問が残る点がありました。
前作のQを観ていて、「もしかしたら初号機とシンジはこのまま戦わずに終わるのか?」と思っていたので、しっかりとした戦闘シーンがあったのは非常に良かったと思います。アスカの2号機、マリの8号機の戦闘シーンもばっちりあります。
途中、綾波が農業や村の人たちとの交流を経て、人間らしく楽しそうにしているシーンが好きでした。あのまま村で生活できていたらなぁ・・・と思います。
まだまだ未消化な部分があるので、多分もう何度か観に行くと思います!何度か観る価値ありだと思います。
ようやく完結したことには満足ですが・・・。
キャラ重視での感想になります。
村での出来事はほっこりするものが主で、綾波(仮)がおばちゃんたちに、いろいろなことを教わって感情を知っていく過程はとても可愛かったし、にこにこと見れました。
まさかそのあとで消えてしまうとはとてもショックでしたが、作られたものの悲しい宿命なのでしょうか。オリジナルの綾波ではありませんが、プログラムされたものだとしてもシンジと仲のいい友達になってほしかったです。
シンジは綾波(仮)のおかげで思ったよりも早く立ち直ってくれてよかったです。やはり主人公が動かないと始まらないので。
その2人の様子をちらちらと見守るアスカはジェラシー感じてるようですが、今現在はケンケンのことが好きな様子・・・大人の男が好きってことでいいですか?
Qから冷徹な態度をとり続けてきたミサトさん、でもやはりシンジのことを大切に思っていました。シンジをかばって撃たれたところは、唯一涙が出たシーンです。
加地さんを失い、子供と会わず、ひたすらリーダーとして戦ってきたミサトさん、人生の辛酸をなめてきた立派な大人なのですね。最後の自爆でミサトさんの人生は幕を下ろしましたが、キャラの中で一番納得のいく結末でした。
後半でようやく出てきたカヲル君は、心と回想の中のみで実体でなかったのが残念。しかも加地さんと上司部下の関係で、カヲル自身が幸せになりたかったから、いつまでも続くループを断ち切りたくて、そのためにはシンジに幸せになってもらわなければならない・・・。え!?そうなんですか!??
ここは個人的に一番がっかりしました。ただただシンジを大切に思い幸せを願っていると思っていたので。そうなるとアニメ版の「好きってことさ」にどう理由をつけるのでしょう??うーーーん。
ゲンドウは結局、死んでしまった奥さん唯と再び出会いたかったということですね。ちょっと小難しくて細かいことはわかりませんが、その為に世界を滅ぼす滅ぼさないの話になるってあまりにもスケールが大きすぎやしませんか・・・。
アニメから映画まですべて見ましたが、結局はネルフの内輪もめで世界が大混乱になったということですよね・・・。まぁ最後は願いが叶ったようで。ただ彼も、一人の弱い人間だったのですね。もっと早くシンジと分かり合えていたのではと思うと悲しいです。
マリはもうずっと活躍してました。メンタル的に落ちることはないし、飄々としててなんだかんだ頼りになるし、愛想はいいしで悪いところがなく今回の映画で彼女がとても好きになりました。アスカのことも妹のように可愛がっていていい姉ちゃんだなあと。
しかし最後にはびっくり仰天です。まさかシンジとくっつくのがマリとは。エヴァの呪いで見た目的には同年代でも彼女はシンジの両親と同僚であり、中身はかなりの年上。
今までもフラグは立っていなかったように思いますので、恋のライバル綾波・アスカ・カヲルを差し置いてこんなことになろうとは!
しかし二人ともとても幸せそうでしたし、ほかのメンバーも楽しそうにしてたのでハッピーエンドなんでしょうけど。綺麗に終わったとは思いますが、それぞれの結末でいえば、あまり満足はしていません。
集大成にして最後にふさわしい作品
物語として盛り上がりや展開がちゃんと上手く起承転結になっていて、「これはどうゆうこと?」というエヴァ特有の感じが少なくて良かったです。作画や音楽、BGMとかではとても臨場感があり素晴らしかったです。
父親が「人類補完計画」の「虜」になってしまったが故に「人間以上の存在」になってしまい「神以下であり人間以上の存在」になったのは自身の自業自得かなと思いますが、女性司令官が戦闘機ごと突っ込み戦死するのは少しショッキングでした。
最後まで存命すると個人的に思っていたので出来れば生きてて欲しかったですし、主人公のシンジ君は最後、赤眼鏡の女性と付き合うんかい!となってアスカとかじゃないんだと思っていましたが、みんながみんな幸せそうに駅のホームで電車を待っていたのでこれで良かったのかなと思いました。
今作は考察ポイントの嵐!小ネタも含めての紹介!
やっと完結しましたね、というかしてしまいましたね、エヴァンゲリオン。
毎回複雑なストーリーで様々な考察が飛び交う中、今作もいつもに負けじと大量の考察ポイントや小ネタが盛り込まれてました。
個人的に一番好きだったポイントは綾波が第三村で覚えた「さようならは、また会うためのおまじない」というセリフです。
このセリフ自体今作屈指の名言とも言えますが、エヴァの世界がそもそもループしている説や、色んなキャラクター達との別れと出会いなどメインテーマである「愛」などから考えると、とても奥深く考えさせられるセリフだと思います。
そもそも劇場版の公式の予告で、最後にシンジが「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」と言います。そして今作は完結篇、もちろん続編の予定も今はありません。
しかし、綾波のセリフを考えると、どうしても「また会える」のでは?と思ってしまいます。
そういった色んな意味が込められたセリフが至る所に出てきますが、今作はまたいずれエヴァンゲリオンに会うための作品、続編があるのでは?とどうしても考えてしまいませんか?
シンジがポジティブな人生へ
予備知識なしで観ました。やはり難解で撃沈しそうでしたが、聖書の中にある言葉に近いものが語られると、ものすごく心が揺さぶられました。
シンジは結局救われたと私は思いました。マリと監督の生まれ故郷でもある宇部の寂れた駅の中を駆け上がっていく様なシーンで、シンジのあの暗かった命が、輝いていたことに私の心も救われました。
この映画は壮大な人類の苦しみの救いが、本当は足元にあることを示唆している様にしか思えません。前半の長いシンジの苦悩は、人類の苦悩を抱えているかのようにさえ見えました。しかし、やがてポジティブな人生へと開花していくのです。
その時には、マリとアスカの存在がいかに大きいかを感じ取ることができました。凄まじい戦闘戦も目が回るようでしたが、そのスピード感は最高でした。所々にあるメッセージ性のある言霊は、私の肺腑を抉るような強さがありました。
そして、青春映画でもあるこの作品に出会えて本当に良かったと思っております。
大人になったシンジくん
一言で言うと、最高でした。物語はハッピーエンドだったので、長年モヤモヤしてきた身としては大満足です。
作画は一部スタジオジブリが参加しており、川のせせらぎや自然の田舎の風景がとても癒されてよかったです。声優さんはテレビ版の頃から変わらず、みなさん素晴らしい演技さた。
碇ゲンドウの「大人になったな、シンジ」が1番印象に残りました。碇ゲンドウは、亡き妻ユイに会うために人類補完計画をすすめており、シンジをパイロットにする際の再会した時は「大人になれ、シンジ」と言っていたのと対称的でした。
結果碇ゲンドウは最愛の妻を亡くして寂しくてしょうがない気持ちを癒せず、心に穴が開いてしまったまま時間が止まってしまったのは少し同情しました。シンジくんは寂しさや無力感などいろんな感情を乗り越えて、成長したのでその結果よい方向に導けてよかったです。
綺麗な終劇
シン・エヴァンゲリオンを見る前は、本当に完結するのか、Qのあとからどう展開するのか全くわからなかったので、無事終劇を迎えられて安心しました。
第三村でのトウジとケンケンと再会はとても嬉しかったです。もう見れないと思っていたポカ波が別の形で見れたので、死亡したこと以外は最高でした。クライマックスにかけての怒涛の展開と新ワード、映像に圧倒され、一回目は全然内容を覚えてませんでした。
今回の作品では、キャラクターが決断をするシーンがより印象的でした。廃人のようになっていたシンジが立ち直り、アスカと共にヴィレに戻る、息子には合わないままを選ぶミサトさん、最後に気持ちを伝えるアスカなど、心に決めるシーンが要所にありグッときました。
また、ゲンドウのユイへの愛は変わらず、人を捨てていたことも衝撃でしたが、ゲンドウの独白のシーンでは、演技も相まって痛切なものでした。
自分なりには、ヴィレの槍を使い破壊したエヴァンゲリオン、ゲンドウ、ユイがいない世界、現実になったという最後だと捉えましたが、細かい部分はよくわかりませんでしたが、冬月の発言から、マリは使徒だと考察しました。
いちおう本当に終わりっぽいです。
今回の作品は、2場面でのストーリーを含んでいると思います。エヴァンゲリオン作品の本来のビィレとネルフ紛争を描いた場面と、もうひとつはまるでジブリ?と思わせるほどの世界観で描かれたアンチLシステムに守られた世界で農業をしながら生きる人々。
今までの作品の中に少しだけ出てくる日常のシーンが好きな人でも、充分楽しめる作品です。
さて本筋ですが、ほんとに最後のエヴァンゲリオン作品になるのかと思いき観てきましたが、全てのエヴァンゲリオンを消滅し、シンジが全ての心の決着を付けていくので、まあ終わりと思って良いのかなと思っています。
ただ最後のゲンゾーとシンジ・マリがマイナス宇宙で戦いそこで終わったような描かれ方でした、そのマイナス宇宙とは今私がこうやって過ごしている世界ではないかと思います。
個人的には監督もまだ若いし、この世界でのインパクトからの、もう一周あるんではないかと思っています。
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「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の作品情報
基本情報
タイトル | シン・エヴァンゲリオン劇場版 |
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読み方 | しん・えゔぁんげりおんげきじょうばん |
原作・監督 | 庵野秀明 |
製作会社 | カラー |
アニメ上映開始日 | 2021年3月8日 |
声優(CV)・キャスト | 碇シンジ役: 緒方恵美 綾波レイ役:林原めぐみ 式波・アスカ・ラングレー役:宮村優子 真希波・マリ・イラストリアス役:坂本真綾 渚カヲル役:石田彰 |
あらすじ・ストーリー
「さらば、全てのエヴァンゲリオン。」
人型兵器「エヴァンゲリオン」に登場する少年・少女たちと、第3新東京市に襲来する「使徒」との戦いを描いたテレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」をリビルドして再構築。
新たな設定とストーリーで制作された「エヴァンゲリオン新劇場版」は全4部作。「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は「:序」「:破」「:Q」に続く、4作目の完結作品となります。
シンジ、レイ、アスカ、マリなど、個性的なキャラクターたちの新たな姿は要チェック。