「カラオケ行こ!」みんなの感想評価!面白い?つまらない?
原作ファンより苦言
おおむね良好な感想の中、苦言です。不快な方は読まないで。
まず原作でのすごく大事なシーンが複数個所なくて悲しかったです。
冒頭の暗闇で目を光らす狂児、二人で車に乗っているときの狂児のセリフ「女も聡実くんも乗り心地がいいんでしょうな」(うろ覚え)、最後の組長のペロです。北村一輝さんの配役めっちゃ良かったのに。
あと、狂児の歌声が全然変じゃないのと聡実くんの変声期の声も全然ガラガラじゃなかったので見ていて残念だった。
たしかに綾野剛さんはすごいと思ったけど、いくら演技が良くても七三じゃない・目と体が細すぎる狂児は私的に完全ナシです。原作が好きすぎて、和山先生以外の自意識やアレンジが入るのは無理だった。
音叉が出てくるの意味わからんし変な傘のエピソードとかマジで要らんかった。
ゆるく笑って楽しめる青春映画
原作漫画には独特の空気感、間の取り方が醸し出すおかしみがあるのですが、その雰囲気そのままにオリジナル要素も含めてうまく膨らませた、笑えて少し泣ける楽しい青春ものとして仕上がっていてとても良かった。
主演の綾野剛さん齋藤潤さんが漫画そのままのキャラクタづくりを体現していて、ヤクザと中学生という、本来ありえないふたりに芽生えていく友情とも親愛ともつかない関係性を丁寧に演じていて、素晴らしかった。
主人公の中学生回りの普段の学生生活もリアリティ豊かに、そして面白みあるキャラクタも絡めて描き出していて、微笑ましくひとときしかない思春期をうまく切り取っていると感じた。
基本的にはコメディベースで、ときおり巧かったり下手だったりする歌を挟みつつなのでノリも良く、そしてラストは「紅」で泣かせてくれるという流れも無駄なく巧い。けして派手な作品ではないけれど、制作陣と役者陣の原作愛を感じる素敵な映画だった。
綾野剛が新しい扉を開いた?!
野木亜紀子さんの脚本で綾野剛さんが主演!というだけで期待値はマックスでしたが。原作コミックの破天荒ぶりをぶち破る勢いの凄まじさが炸裂した映画でした。
狂児(綾野剛)の歌のヘタウマっぷり、カラオケで白目をむいてX-JAPANの『紅』を歌いまくるシーンは圧巻で、冒頭からいきなりクライマックスか?!と驚かされました。
ぽつりぽつりと狂児がこぼす言葉から彼が如何にして今の彼になったかが語られてきましたが、私的にめちゃめちゃツボだったのが、彼の名前です。
『狂児』は母(ヒコロヒー)が『京二』と命名したのに、ろくでなしの父(加藤雅也)がその出生届を煙草の灰で汚してしまい、ノリで『狂児』と書いて黙って提出してしまった、というオチ…それを見ていた小学生の姉が『最悪や』と呟く短いシーンが強烈で、忘れられません。綾野剛さんが演じるヤクザ…めちゃめちゃ色気がありました!
原作未履修でもっ
アンナチュラル脚本家の野木亜紀子さんの脚本、原作にはないシーンがとても効果的で鑑賞中に叫びそうになりました。たぶん、原作表紙絵を盛り込んでくれたのだと思いますが、校内にいる聡実くんを見つけてもらうための狂児の策がスマートで、しかも綾野剛の足が長い!傘がとてもいい仕事をしていて、傘を差し掛ける場面は原作では夜のネオン街、でも映画は昼間の光がとても二人の可愛さを表していたと思います。
アンナチュラル繋がりでテンションが上がったのは、lemonが聴けたこと、ただしあれがlemonだと思ってはいけない、一緒に行った友人は、どこに?と全くわかっていませんでした。聡実くんと同級生たちとの拗れは、我々世代からしたら、そんなことあったかね、と思い出して苦笑するようなものだけれど、当事者にとっては大きな問題で、映画の終わり方の方が許しがあって良かったなと思います。
二人の間には、友情以上の何かがあるけれど、それをはっきりさせないところにキュンとします。原作に続きがあるのですが、映画で続きを見たいようなこのままの二人で終わって欲しいような、微妙なライン、そんなもどかしさが好きな人にお勧めです。
「カラオケ行こ!」の感想を書く(ネタバレ考察あり)
「カラオケ行こ!」の作品情報
基本情報
タイトル | カラオケ行こ! |
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読み方 | カラオケいこ |
原作 | 和山やま |
制作会社 | KADOKAWA |
上映期間 | 2024年1月12日〜 |
上映時間 | 107分 |
配給 | KADOKAWA |
作品概要・あらすじ内容
『カラオケ行こ!』は、青春と奇跡を描いた心温まる物語です。中学3年生の合唱部部長・岡聡実は、声変わりに悩む日々を送っていました。ある日、彼の前に現れたのは、四代目祭林組の若頭補佐・成田狂児。
彼は、組長主催のカラオケ大会での罰ゲームを恐れ、聡実に歌の指導を依頼します。狂児の十八番はX JAPANの「紅」。二人はこの曲を通じて、予想もしなかった絆を育んでいくのです。
この映画は、原作コミック「カラオケ行こ!」を基にしつつも、映画独自の展開やオリジナルキャラクターが加わり、新たな魅力を放っています。
例えば、映画オリジナルの「映画を観る部」や合唱部副顧問の登場、父が買ってきた亀と鶴の傘、聡実が鮭の皮から愛を感じる場面など、細やかなエピソードが物語に深みを加えています。
監督は山下敦弘、脚本は野木亜紀子が担当。主演は綾野剛とオーディションで選ばれた新星・齋藤潤が務め、芳根京子、北村一輝などの豪華キャストも集結しています。音楽は世武裕子が手掛け、主題歌はLittle Glee Monsterが歌う「紅」です。
『カラオケ行こ!』は、思春期の聡実と飄々とした狂児のコミカルな掛け合いや、ふたりの微妙な関係性に注目です。また、ヤクザたちのカラオケシーンなど、衝撃的なシーンも盛りだくさん。原作ファンも、そうでない方も楽しめる映画になっています。